Update - 03 May, 2020(Original - 07 Jan, 2000) | Home |
3DCADを導入してはみたけれど3DCADを導入してはみたが、従来の2次元CADよりも時間がかかってしまい、そのまま埃をかぶっている、なんてことはありませんか? 3DCADは難しい?手書き図面から2次元CADへの移行は、ツールがドラフター(知らない人もいるでしょう)からディスプレーになったというだけで、設計や製図に対する考え方は同じでした。そのため、CAD自体の操作さえ覚えてしまえば、そんなに抵抗がなかったと思います。覚えはじめた頃は、図形のコピーが簡単とか、何度描き直ししても図面が汚れないとか、誰が描いてもそこそこ見やすい図面ができるなどの効果に結構感激したものです。 ところが、設計の効率化という面で見ると、思ったより効果が出ていなかったのではないでしょうか。もちろん、図面を描く時間はドラフターのときよりも早く、設計者も楽になったことは確かなのですが、設計時間が劇的に短くなったかというと、その効果を計るのは難しいと思います。よく考えれば、ツールがドラフターから2次元CADに変わっただけで、設計のプロセスは手書きの時と同じなんですから、当然かもしれません。 さて、2次元CADから、3次元CADへの移行はどうなんでしょうか。一足早く、3次元設計に取り組んだおかげで、これから始めようとしている人に、よくこんな質問をされます。 「3次元って、難しいでしょうね」 「簡単です!」と答えるのは簡単(笑)なんですが、それでは解決になりません。一般的には、3次元CADの操作やモデリングの煩雑さが難しいと思わせているようです。では、それが解決すればいいのかというと、そうではなくて、今度は3次元設計のやり方自体が難しいことに気づくのです。 「3次元は難しい」という漠然とした表現ではなく、「3次元CADの操作やモデリング」が難しいのか、「3次元設計の手法」が難しいのか、ちょっと落ちついて考えてみましょう。 効果的に使えてますか3次元CADを導入してはみたが、従来の2次元CADより時間がかかってしまい、そのまま埃をかぶっている、なんて話も聞きます。なぜ、3次元CADを導入するのでしょうか。うーん、世の中の流れだからねぇ、という感じで導入すると埃をかぶってしまいます。 どうも、3次元CADで単にモデリングをしているだけのレベルなのか、設計の効率化に生かされているのかによって、違っているみたいです。モデリングだけにしか利用していないところでは、2次元CADより時間がかかる、覚えるのが面倒くさい、なんで時間短縮が出来るの?っていつも聞かれます。 当然、そうなるでしょうね。だって、時間短縮出来る要素がないんですから。こんな使い方をしていると、せっかくの3次元CADが宝の持ち腐れになっちゃいます。 設計者の資質よるところも大きいですね。コンピュータリテラシー literacy を持っていることは勿論ですが、今まで2次元で設計してきて、何が問題で、自分の仕事をどのように改革していけば良いのかという気持ちの人は上達が早いです。それと、部品の製造工程を知っている人ね。 とにかく、形ができればいいなんて態度のところは確かに2次元では不可能な形状が可能になったというメリットはあるものの、時間ばかりかかって...という言い方になります。 何のための3次元CADかとにかく最初は、こんな形状が出来るのか?、サーフェースの機能は?、なんてモデリングのことばかり気になります。まあ、実際それで設計してみたらどうなるという想像をするのは難しいのですが。それでも、この辺りは十分注意しておくべきでしょう。 実際の設計手順を解る範囲でまとめておきましょう。デモなどを見る時は、その設計手順なり、考え方が実現できるのか、又はもっと良い方法を提案してもらえるのかを重点的に検討しましょう。 モデリングばかりデモするところは避けたほうがいいのではないでしょうか。私たちは、モデラーではなくデザイナー(広い意味での設計者)なのですから。 設計といっても、いろんなレベルがあります。3次元CADの使いこなしと絡めて分類すると下記の様になるのではないでしょうか?
いかがですか?もし、あなたの会社が Level-3 の設計者ばかりだったら、3次元CADを導入するよりも先に(同時にでもいいですが)構想設計の出来る
Level-1 の設計者を見つけてこなければなりません。 |