Update - 27 Dec 2020  User PageInjection

射出成形品

射出成形不良の原因と対策

バリ

金型の接合部に樹脂がはみ出して固化する現象。
原因 対策
成形条件
  1. 成形機の型締力不足、不均一
    • 成形機の精度が失われている
    • 機械のセットが不完全
  2. シリンダ温度が高い
  3. 射出速度が速い
  4. 射出・保持圧力が高い
    • 射出2次圧保持時間が長い
  5. 射出容量が多い
    • 樹脂のフィード量が多い
  6. 前の成形で発生したバリの残り
金型
  1. 金型の湾曲、凹み、摩耗
    • 射出圧、型締力等による金型の伸び
  2. 入れ子合わせ不良
  3. ゲート付近の集中圧力
    • ダイレクトゲートの場合はゲート付近に集中して圧力がかかるため、その部分に発生しやすい。
    • ゲートが小さすぎる

製品設計

樹脂
  1. 樹脂の流動性が良すぎる
成形条件
  1. 適切な成形機を使用する
    • 型締力[ton]≒製品の投影面積[cu]×0.5[ton/cu](ダイレクトゲート)
    • 型締力[ton]≒製品の投影面積[cu]×0.4[ton/cu](ピンゲート)
  2. シリンダ温度を下げる
  3. 射出速度を遅くする
  4. 射出・保持圧力を下げる
    • 射出2次圧保持時間を短くする
  5. 樹脂のフィード量を適正にする(クッション量 5mm程度)
  6. バリの残りを取り除く
金型
  1. 金型の精度・強度を上げる
    • 金型スペーサブロックの追加
  2. 入れ子寸法改良
  3. ゲート近くの押切面等に発生する場合は樹脂の流れ止めをつける
    • ダイレクトゲートを避ける

製品設計

樹脂
  1. 樹脂のグレードを変更する
    • 流動性の良さを下げる適切なグレードの選定

シルバーストリークス

樹脂の流れ方向に沿って成形品表面に生成される汚れや銀色の条痕で、成形品表面をガスが走った跡。
原因 対策
成形条件
  1. 樹脂が過熱している
    • シリンダー温度が高い
    • ノズル温度が高い
    • 成形サイクルが長く、シリンダ内での樹脂の滞留時間が長い
  2. 可塑化工程で空気の巻き込みがある
    • 射出圧力が不足している
    • 射出速度が速い
金型
  1. 金型のガス抜きが不十分
  2. 金型表面の汚れ
製品設計
  1. ゲート位置、大きさ、設計不適当による乱流
    • ランナ・ゲートが小さいため、摩擦発熱がある
樹脂
  1. 材料の粒状が小さい
  2. 材料の吸湿、揮発物による
成形条件
  1. 樹脂温度をチェックし、適切な温度にする
    • シリンダー温度を下げる
    • ノズル温度を下げる
    • 容量の小さい射出成形機で成形する
  2. スクリュー回転数を下げる
    • 背圧(10〜20kgf/cu-Gauge)をかける
    • ホッパー側のシリンダ温度を高くする
    • 射出速度を下げる
金型
  1. 金型にガス抜きを設ける
  2. 金型の清掃を行う
製品設計
  1. 樹脂の流れが溝を横切る等、複雑な形状を避ける
    • ランナ・ゲートを大きくする
樹脂
  1. 粒状の小さな材料(特に粉砕品)を混入しない
  2. 材料の予備乾燥を十分に行う
    • 水分率を 0.1%以下にする
    • 排気不良、離型剤が原因となることもある

ウェルドライン

分流した樹脂が合流した部分の融着が不十分で、外観上目立ったり強度が著しく低下する。
原因 対策
成形条件
  1. 樹脂の流動性が悪い
    • シリンダー温度(樹脂温度)が低い
    • 金型温度が低い
    • 射出速度が遅い
    • 射出圧力・背圧が低い
金型
  1. 金型のガス抜きが不十分
  2. 空気・離型材・油等が混入している
    • 材料の過熱、樹脂特有のガスを巻き込む
  3. ゲート位置・本数の不良
    • ゲートからウェルド位置までの距離が遠すぎる
    • ゲートの位置が限定され、製品に均等な圧力がかからない
    • ゲートの本数が多い
  4. スプール、ランナ、ゲートの流動抵抗が大きい
製品設計
  1. 製品の形状による
    • 圧力がかかりにくい形状
    • 孔や肉盗み等がある
    • 肉厚が薄い
    • 乱流が起こりやすい凹凸の多い形状
樹脂
成形条件
  1. 分流した樹脂が合流して溶着するときの樹脂温度を高くする
    • シリンダー温度(樹脂温度)を高くする
    • 金型温度を高くする
    • 射出速度を速くする
    • 射出圧力・背圧を高くする
金型
  1. 金型にガス抜きをつける
    • 射出速度を遅くする
  2. 空気・離型材・油・他揮発性物質を取り除く
  3. ゲート位置・本数を変更する
    • ウェルドがP/Lの位置にくるようにする
    • 移動可能なピンゲートにしておく
    • ゲートはできる限り少なくする
  4. スプール、ランナ、ゲートを太く短くする
製品設計
  1. 製品の設計時に考慮する
    • 成形品の肉厚を厚くする
    • 形状を単純にし、凹凸を避ける
    • キャビティ側にパターンの荒いエッチングを施す
    • 梨地程度の細かいパターンはかえってウェルドが目立つ
樹脂

クラック

成形品の表面に発生する細かい線状のヒビまたは割れ。
原因 対策
成形条件
  1. 金型温度が低い
  2. 残留応力による
    • 射出速度が速い
    • 射出・保持圧が高い
    • 過充填となっている
    • 型締力が不足
    • 冷却時間が短い
    • 樹脂温度が低い
金型
  1. 金型温度がアンバランス
  2. 離型不良
    • 突き出しのアンバランス
  3. 金型と成形品の間が真空になっている
  4. 金型の仕上げが悪い
製品設計
  1. 塗装・印刷など二次加工による溶剤の使用
  2. 薄肉、複雑形状、孔が大きい
樹脂
成形条件
  1. 金型温度を上げる
  2. アニーリングを実施し、機械的な歪み力を除去する
    • 射出速度を遅くする
    • 射出・保持圧を低くする
    • 過充填しない
    • 型締力を充分とる
    • 冷却時間を長くする
    • 樹脂温度を上げる
金型
  1. 冷却回路の変更・改良
  2. 抜き勾配を充分とる
    • 突き出しのバランスを良くする
  3. 排気孔をつくる
  4. 金型の仕上げを良くする
製品設計
  1. 二次加工を避ける
    • 溶剤の使用を避ける
  2. 形状変更(薄肉、複雑形状、孔を無くす)
樹脂

強度不足

成形品の強度が不足する。
原因 対策
成形条件
  1. 樹脂温度、金型温度が低い
  2. 樹脂の分解、吸湿による劣化
  3. 材料が硬い
  4. ゲート部分の冷却した表面が材料とともに押し込まれる
金型
  1. ランナ・ゲートが小さすぎる
製品設計
  1. 肉厚が薄すぎる
樹脂
成形条件
  1. 樹脂温度、金型温度を上げる
  2. 樹脂温度を下げる
  3. 材料を変更する
    • 潤滑可塑剤を使う
  4. 樹脂温度を上げ、射出圧力を下げる
    • ゲート位置を変更する
    • 絞りゲートにする
金型
  1. ランナ・ゲートを広げる
製品設計
  1. 肉厚を厚くする
樹脂

フローマーク

ゲートを中心に発生する細かい円弧状の縞・しわ模様。
原因 対策
成形条件
  1. 金型温度が低い
  2. 樹脂温度が低い
    • シリンダー温度が低い
  3. 射出速度が遅い
  4. 低温・固化材料の流入
金型
  1. ランナ・ゲートが小さい
    • ゲート数が少ない
製品設計

樹脂

  1. 流動性が足りない
    • グレードの選定が不適切
成形条件
  1. 金型温度を高くする
  2. 樹脂温度を高くする
    • シリンダー温度を高くする
  3. 射出速度を速くする
    • 射出圧力を上げる
  4. スラグウェルをつくる、ノズル温度を上げる
金型
  1. ランナ・ゲートを大きくする
    • ゲート数を増やす
製品設計

樹脂

  1. 流動性の良いグレードを使用する

ジェッティング

ゲート付近から発生するミミズの這ったような跡。樹脂材料が金型に触れて固まり、跡からの厚い材料に押し出されて発生する。
原因 対策
成形条件
  1. ノズル温度が低い
  2. ノズルタッチが不均衡
金型
  1. コールドスラッグが小さすぎる
製品設計

樹脂

成形条件
  1. ノズル温度を上げる
  2. ノズルタッチを逆テーパにし、成形品側についてくるようにする
金型
  1. コールドスラッグを大きくする
    • 金型温度を上げ、圧力を増す
    • 材料温度を上げ、流れを変える
製品設計

樹脂


ソリ・変形・寸法不良

平板成形品にみられる凹凸形状、ねじれ変形。箱状製品で壁からコア側に張り出してくる変形。充填された樹脂の不均一収縮による変形。
原因 対策
成形条件
  1. 射出圧力が低く、射出速度が遅い
  2. 射出・保圧時間が短い
  3. 冷却時間が短い
  4. キャビティとコアの温度差が大きい
  5. 残留応力
  6. 材料の流動性が悪い
  7. 金型内の圧力が高い
  8. 成形機の変形、型締力の不均一
金型
  1. 離型が悪い
  2. 成形品の突き出しピン不良、アンバランス
    • 突き出しピンの面積が小さい
  3. 金型の精度不足
製品設計
  1. 偏肉
  2. 設計の不適当

樹脂

  1. 成形収縮変動と配向性
    • 結晶性樹脂は特に大きい
  2. 材料の保管、配合の不均一
成形条件
  1. 射出圧力を高く、射出速度を速くする
  2. 射出・保圧時間を長くする
  3. 冷却時間を長くする
    • 材料温度、金型温度を下げる
  4. キャビティとコアを個別に温調する
  5. 成形後、矯正治具を用いて変形を防止する
    • ゲート位置を変更する
  6. ランナ・ゲートを大きくする
  7. サイクルを長くする(ゆっくり加圧する)
  8.  
金型
  1. 圧力を下げ、ゲートを小さくする
    • テーパを充分とる
    • 離型剤を使用する
  2. 突き出しピンの位置を修正し、バランスをとる
    • 突き出しピンの面積を大きくする
  3. 金型の精度を上げる
製品設計
  1. 偏肉を無くす
  2. 形状変更、均等肉厚にする

樹脂

  1. 樹脂材料のグレード変更
  2. 材料の保管方法、配合方法を改善する

ヒケ(シンクマーク)

キャビティに充填された樹脂が冷却の不均一により、体積の収縮差を生じて、表面がくぼんだ状態となる。
原因 対策
成形条件
  1. 冷却時の熱収縮
    • 樹脂温度が高い
    • 成形機能力が過大でシリンダ内の樹脂滞留時間が長くなり、過熱されている
    • 金型温度の高すぎ、または低すぎ
    • 製品を型から出すのが早すぎる
  2. 射出・保持圧力(2次圧)が不足している
    • 射出・保圧時間が短い
  3. 射出速度が遅い
  4. 材料の不足
  5. クッションの不足
成形機
  1. 逆流防止がなされていない
金型
  1. 金型の冷却不足
  2. スプール・ランナ・ゲートの不備
    • ノズルとスプールのRが合わず圧力が逃げる
    • スプール・ランナが細すぎる
    • ゲートが小さすぎる(樹脂が充填不足になる)
    • ゲートが大きすぎる(ゲートから遠部分に圧力がかからない)
    • ゲート位置が悪い
製品設計
  1. 成形品の肉厚が厚い、不均一
    • 肉厚の変化が大きい

樹脂

成形条件
  1. 適切な成形機を使用する
    • シリンダ温度を下げる
    • 金型温度を上げ、冷却時間を短くすると分散して目立たなくなる(ただし、変形に注意)
    • 冷却時間の増加
  2. 射出・保持圧力(2次圧)を上げる
    • 射出・保圧時間を長くする
  3. 射出速度を速くする
  4. 材料の送りを増す
  5. クッションを 5mm〜10mm確保する
成形機
  1. 逆流防止機構をつける
金型
  1. 金型設計時に金型の冷却を適切にする
  2. スプール・ランナ・ゲートを広げる
    • 肉厚部はゲートを大きくする
    • 肉薄部はゲートを小さくする
    • 肉厚に変化のある成形品の場合、ゲートを肉厚部につける
製品設計
  1. 偏肉・肉厚部をなくする
    • 圧力のかかりにくい形状を避ける

樹脂


気泡

成形品厚肉部にみられる真空泡、あるいは残存モノマー・水・空気の膨張による気泡。
原因 対策
成形条件
  1. 内部収縮による
    • 金型温度が低い(肉厚部で金型温度が低く、金型に接触した部分が固化し、中心部が固化する際に収縮分だけ外側がひけず、真空泡になる)
    • 樹脂温度が高い
  2. 射出・保圧時間が短い
  3. 射出・保持圧力が低い
  4. クッションがない
  5. 水分、空気の滞留・巻き込み
成形機
  1. 逆流防止がなされていない
  2. ノズル径が小さい、ノズル平行部ランドが長い
    • 射出圧力損失が大きい
  3. スプール・ランナ・ゲートが小さい(体積収縮に見合う樹脂が充填されない)
製品設計
  1. 成形品の肉厚が厚すぎる
成形条件
  1. 金型温度を上げる
    • 樹脂温度を下げる
  2. 射出・保圧時間はゲートシール時間以上確保する
  3. 射出・保持圧力を高くする
  4. クッションをゲートシール時点で 5〜10mmに設定する
  5. 材料の乾燥を行う
    • スクリュー回転集を下げる
    • 背圧をかける(10〜20kgf/cu - Gauge)
    • ホッパー側のシリンダー温度を高くする
成形機
  1. 逆流防止装置をつける
  2. ノズル開口部の径を大きく(2〜3mm)し、ノズルランドを短く(約15mm)する
  3. スプール・ランナ・ゲートを大きくする
製品設計
  1. 成形品の厚肉を避ける

ショートショット

金型内への樹脂の充填不足状態、成形品末端部に現れるさざ波状のシワもショートショットの一部である。
原因 対策
成形条件
  1. 樹脂の流動性が悪い
    • 樹脂温度(シリンダ温度)が低い
    • 圧力損失が多い
    • 金型温度が低い
  2. 射出圧力の不足
  3. 樹脂の供給不足(クッションがない)
  4. 射出速度が遅い
成形機
  1. 成形機の能力不足、ノズル径が小さい
金型
  1. ガス抜き不良
  2. スプール・ランナ・ゲートが小さい
製品設計
  1. 薄肉部がある
成形条件
  1. 樹脂の流動性を良くする
    • 樹脂温度(シリンダ温度)を上げる
    • 樹脂材料、金型の磨き
    • 金型温度を上げる
  2. 射出圧力を上げる
  3. 樹脂の軽量、射出時間を増す
    • クッション(5〜10mm)をとる
  4. 射出速度を速くする
成形機
  1. 成形機を変更する、ノズル径を大きくする
金型
  1. ガス抜きをつける
  2. スプール・ランナ・ゲートが小さい
製品設計
  1. 薄肉部をなくす

色調不良

本来の無色透明性を失い、成形品が黄色化または黒色化する現象。
原因 対策
成形条件
  1. シリンダ温度が高い
  2. スクリュ回転数が大きい
  3. 背圧をかけていない
  4. 樹脂のシリンダ滞留時間が長い
成形機
  1. シリンダ、ノズルに樹脂が滞留する部分がある
樹脂
  1. 原料ペレットを乾燥する際、乾燥空気によって汚染されている
成形条件
  1. シリンダ温度を低くする
  2. スクリュ回転数を下げる
  3. 背圧(10〜20kgf/cu - Gauge)をかける
  4. 滞留時間を短くし、シリンダ温度を下げる
成形機
  1. 滞留のない構造にする
樹脂
  1. 乾燥機の空気吸入口にフィルタを設ける
    • ガーゼ、発泡ウレタンなど

光沢不良 

原因 対策
成形条件
  1. 樹脂温度(シリンダ温度)が低い
  2. 金型温度が低い
  3. ガスの発生
  4. 射出速度が遅い
  5. 射出・保持圧力が低い
  6. 樹脂の充填不足
金型
  1. 金型表面の傷、研磨不良
  2. 金型のガス抜きが悪い
  3. 金型表面に離型剤、オイル等が付着している
成形条件
  1. 樹脂温度(シリンダ温度)を上げる
  2. 金型温度を高くする
  3. シリンダ温度を下げる
    • 背圧(10〜20kgf/cu)をかける
  4. 射出速度を速くする
  5. 射出・保持圧力を高くする
  6. 樹脂の充填量を調整する
金型
  1. 金型表面の研磨を行う
    • 場合によっては金型表面をメッキする。
  2. 金型にガス抜きを設ける
  3. 金型表面をクリーニングする

カジリ 

原因 対策
成形条件
  1. 射出圧力が高い、射出時間が長い
    • 特に、強化材入の場合に発生しやすい
金型
  1. 金型の磨き不足、傷、パート面のカエリ、表面の腐食
  2. 突き出しの不均衡
製品設計
  1. 抜き勾配不足
成形条件
  1. 射出圧力を下げる、射出時間を短くする
金型
  1. 高番手の砥石・サンドペーパ・布切れで研磨、一時的に離型剤使用
  2. 突き上げ板が傾斜せぬようガイドピンとのガタを修理、突き出しピンの位置を変更
製品設計
  1. 抜き勾配をつける

ガスむら、色むら、変色 

原因 対策
成形条件
  1. 樹脂温度(ノズル温度)が高すぎる
    • ABS、PPO などの一部材料は所定温度を超えると変色する
  2. シリンダ内の樹脂の滞留時間が長い
樹脂
  1. 着色剤、着色方法の不良
成形条件
  1. 樹脂温度(ノズル温度)を下げる
    • 背圧、スクリュ回転数を低くする
  2. 成形サイクルを短くする
樹脂
  1. 着色剤、着色方法の改善

黒条、ヤケ、黒点

成形品の一部が過熱により変色する現象。 空気が高温で急圧縮され、樹脂が焼けるためである。
原因 対策
成形条件
  1. 樹脂温度(シリンダ温度)が高い
  2. 可塑化工程での空気の巻き込み
  3. 射出圧力、射出速度が大きい
  4. シリンダ内で樹脂の滞留時間が長い
  5. シリンダやスクリュの一部にこびりついた樹脂が熱で炭化して黒くなり、これがなんらかの理由ではバレたものが黒点、溶けた状態で出現したものが黒条
成形機
  1. シリンダ、ノズルに樹脂が滞留する部分がある
金型
  1. 接合部に発生するヤケは排気不良
  2. ゲート位置が不適切
  3. ゲートが小さいため、摩擦抵抗がある
成形条件
  1. 樹脂温度(シリンダ温度)を下げる
  2. スクリュ回転数を下げる
    • 背圧(10〜20kgf/cu - Gauge)をかける
  3. 射出圧力、射出速度を小さくする
  4. 成形サイクルを短くする
    • シリンダ温度を下げる
    • 容量の小さな成形機に変更する
  5. 不良が出やすい条件(滞留させ、温度を上げ、射出圧を高く)で成形し、黒点等を出して(数ショット)から、出にくい条件(低温、低圧)に戻す
成形機
  1. 滞留のない構造にする
金型
  1. 金型にエアーベントをつける不良
  2. ゲート位置を変更する
    • ウェルドがP/Lのほうへ集まるようにする
  3. ゲートサイズを大きくする

剥離 

原因 対策
成形条件
  1. シリンダに付着した材料の剥離
  2. 異種材料の混入
成形条件
  1. 黒点の対策と同じ
  2. 粉砕機、ホッパ、ローダ等の清掃
    • スクラップの厳重管理

離型不良 

原因 対策
成形条件
  1. 過充填
    • 射出圧、二次圧が大きい
    • 計量が多い
  2. 樹脂温度が高い
  3. 冷却時間が短い
金型
  1. 離型抵抗が大きすぎる
    • 金型のアンダカット、傷、磨き不良
    • 突き出しの不均一
    • キャビティへのとられ
  2. 突き出しストロークの不足
成形条件
  1. 保圧切換時間、保圧の制御
    • 射出圧、二次圧を小さくする
    • 計量を適正にする
  2. 樹脂温度が低くする
  3. 冷却時間を長くする
金型
  1. 離型抵抗を小さくする
    • 金型のアンダカット、傷、磨き不良の修理
    • 突き出しピンの追加
    • 離型剤の使用(根本的には金型を修正すること)
  2. 突き出しストロークを適正にする

インサート埋込不良 

原因 対策
成形条件
  1. 過充填、型温が低い(クラック)
金型
  1. 金型の嵌合不良(バリ、脱落)
製品設計
  1. 設計(製品、金型)の不備
成形条件
  1. インサート加熱が有効な場合が圧
金型
  1. 金型の嵌合寸法修正
製品設計
  1. インサート周辺の肉厚を増す

異物混入 

原因 対策
成形条件
  1. 滞留材料が炭化剥離(黒点)
成形機
  1. 成形機で混入
樹脂
  1. 樹脂材料自身の汚染・異物混入
成形条件
  1. 黒点の対策と同じ
成形機
  1. 吸引式ローダは埃は出ないが、ゴミが混入しやすい
樹脂
  1. ペレット化し、スクリーンで除去

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