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05■200706 設計で重要な部分の見つけ方

 設計で重要な部分から考える。言葉だけを聴くと当たり前なことのように思うが、実際には難しいようだ。今回は肩の力を抜いて、産業機械、身の回りの家電や小物など、いろいろなものについて重要な部分を考えてみよう。それらに共通しているものは何か、おのずから身に付くはずだ。
 
目次
  ◆モデリング3ヶ条
  ◆工作機械はワークから
  ◆冷蔵庫はキャベツから
  ◆○○○は×××から 

◆モデリング3ヶ条

 設計で重要な部分から考える、という姿勢はあらゆる場面で必要だ。一個の部品をモデリングする場面でも…
 
  1. 設計で重要な部分から作る ことは同じで、そのためには…
  2. ひとつのフィーチャにはひとつの設計機能を対応させる ことが必要となり、設計で最も重要な…
  3. 設計基準を明確にする 作業も忘れてはならない、ということになる。
 
 これらを「モデリング3ヶ条」と呼び、3DCADだけではなく、2DCADであろうと、手書きであろうと、設計で形を考えていく上での原則となっている。
        
       
いきなり、台形の部分から作り始めるのではなく、部品の基本形状である直方体から作り始めればよい。    

◆工作機械はワークから

 工作機械の設計で重要な部分は、機械そのものというよりは加工の対象となる「ワーク」である。
 
 仕様で決められたワークにどのような加工を行うのかを明確にしてから、ツールを決定し、そのツールにどのような動作をさせるのかによって、機械の構造が決まってくる。        
 
先月号でも説明したが、工作機械で重要なものは加工対象物である。
 
 このような順番は一般的な産業機械でも同様で、卵を搬送する機械なら卵から、ポンプなら水から、射出成形機なら溶けた樹脂から、といった具合に、重要な部分から考えて設計するということだ。 

◆冷蔵庫はキャベツから

 もちろん、冷蔵の対象となるキャベツやビールであろう。どんな方法であれ、仕様で決められた家族構成に必要な食品は冷蔵しなければならないのだから。
 
 その他の家電製品では、エアコンは空気(いや、部屋と言ったほうがいいかもしれない)から、洗濯機は衣類から、掃除機はゴミから、、、設計を始めるべきである。 

◆○○○は×××から

 結局、どのようなものであれ、目的とするもの、あるいはそれに一番近い部分が重要であって、設計もそれらの部分から始まるということだ。
 
 図は照明器具の例であるが、現在の照明器具に至る過程を考えてみると、重要な機能から進化してきたのがわかると思う。「照明」なのか「明照」なのか迷うところであるが、「照明器具」という名前自体が設計機能を的確に表現しているところが面白い。 
ここは、「照明」なのか「明照」なのか迷うところであるが、使う立場からすれば「照明」だろう。
     
        
いずれにしろ、照明器具の成り立ちはこのような順番だったのではないだろうか。

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