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Ryu-na Design and Engineering

2000.01/16 No.014(665部)


金型屋さん、成形屋さんとの打ち合わせ

  百戦練磨の金型屋さんや成形屋さんと対等に(なかなか出来ないんだけど)話をするためには、何がポイントなのかを理解しておく必要があります。

成形トライにて

成形屋 「今日は予定してた 150トンの成形機が空いてなくて、250トンしかないんで…とりあえず、これでテストさしてもらいます」

設計者 「しゃーないなぁ〜(ぉぃ、ぉぃ!)まあ、大き目の成形機でやっとけば大丈夫(何が!?)かな」

成形屋 「成形している間は暇やから(条件出しで色々やってるところを見られたら、かなわんしなぁ)お茶でも飲んで待っといて下さい」 

…お茶…

成形屋 「なんとか成形条件を調整して、トライ品ができました」

設計者 「あ〜っ、もうこんな時間かぁ…とりあえず、帰るわ」 

解説

 まあ、このような成形屋さんや設計者はそんなにいないと思いますが、かなりいい加減ですね。事前連絡もなく(あっても駄目だけど)、テスト用の成形機を変更するような成形屋さんは信用できません。成形品には適切な大きさの成形機が必要で、小は大を兼ねないのはもちろん、大で小を兼ねることもできないのです。

 小さな成形機では型締力の不足が、バリ、反り、ヒケの発生要因となります。逆に、過大な場合は、反り、焼け、フロー等の発生要因となります。なぜ、そうなるのかは今後のメールマガジンで後日詳しく説明するとして、上記のケースでは「適切な成形機で成形してくれないのであればテスト中止!」と言って帰るぐらいの覚悟が必要です。

初心者と上級者(Pro/ENGINEER)

 今回は Pro/ENGINEER の初心者とベテランを見分ける方法について箇条書き(順不同)にしてみました。
(初心者)マウスのクリック音が、カッチ・カッチ、と聞こえる。
(上級者)こちらは、ヵヵヵヵヵ、と連続的に聞こえ、耳に心地良い。
(初心者)ウィンドウを何枚も開いている。大きさもバラバラ。
(上級者)メインとサブの2枚くらい、通常は1枚で作業している。
(初心者)コピー、ミラーを多用している。
(上級者)コピー、ミラーはめったに使用しない。
(初心者)いきなり Pro/ENGINEER の端末に向かって作業を始める。
(上級者)作業を始める前に計画を立てる。
(初心者)サーフェスを作ってからソリッドにする。
(上級者)ソリッドを作ってから、サーフェスでカットする。
(初心者)エッジ利用が多い。
(上級者)エッジ利用が少ない。
(初心者)部品をモデリングしてから、アセンブリしている。
(上級者)アセンブリしてから、部品をモデリングしている。
(初心者)2D図面を見て、ノギスで測りながらモデリングする。
(上級者)モデリングしてから図面やノギスで確認する。
読者の皆さんで、ほかにあればメールで教えて下さいね。

設計者の迷い

 設計に限らず、何かの判断で迷ってしまった時、あなたならどうしますか?昔、こんなやり取りがありました。

(部下)あの〜、この部分の設計なんですが、今まで進めてきたA案で行っても良いと思うけど、B案の方も良いような気がしていて…

(上司)A案で行くほうが楽だなぁ、ただB案でやり直しても、時間的には厳しいけど不可能じゃないよ。

(部下)…(A案で行けば、余計な仕事をしなくていいな)…

(上司)何を悩んでいるの?

(部下)…(でも B案だと、やり直しかぁ)…

(上司)君は不安に思うから相談しに来たんだろう?だったら、不安を解消するB案に変更しなさい。設計者の不安はだいたい当たってるものだから。

(部下)確かに、不安を残したまま設計したらだめですね。

(上司)設計者の良し悪しは、誰かが決めるのではなく、「時間」で裁かれるものだよ。現時点をA案で切り抜けたとしても、いつかどこかでボロを出す。 「時間」に裁かれても耐えられる設計者になりなさい。

 あなたは、時間に裁かれても大丈夫ですか?こんな事を書いてしまうと、自分はどうなんだと言われそうですね。

編集後記

 新年おめでとうございます。(ちょっと遅いけど)今年はなるべくこまめに発行しようと思っているのですが、遅れても怒らないで、暖かく見守ってやって下さい。

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