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Last Update : 07 February, 2000 7:58:52

3次元データを用いた金型製作

Last Updated : 07 Feb 2000

3次元データを用いて金型製作を依頼する場合には、下記のようなケースが考えられると思いますが、「3次元データ」+「検査図面」の組み合わせを標準とするのが良いでしょう。

「3次元データ」+「検査図面」の組み合わせ
  • 現時点では、最も問題の少ない資料の組み合わせです。
  • 金型製作を依頼する前にNC加工又は光造形で形状確認しておけば、放電マスターの手直しはほとんど不要となります。
  • 3次元データの位置付けを正式データとし、図面は「検査図面」として扱います。
  • 「検査図面」は金型及び成形時の検査と、部品の受入検査に使用します。
「3次元データ」のみ
  • 金型製作側で、支給された3次元データから「検査図面」を作成する作業が発生します。
  • 金型製作を依頼する前にNC加工又は光造形で形状確認しておけば、放電マスターの手直しはほとんど不要となります。
  • 3次元データの位置付けを正式データとし、図面は支給しない。
「主要面の3次元データ」+「製品図面(正式図面)」の組み合わせ
  • 金型製作途中で3次元データと製品図面の矛盾(しばしば発生する)が発見された場合は手直しに時間がかかり、納期に影響する場合があります。
  • 主要面以外は製品図面に従って金型製作側でモデリングすることになりますから、放電マスターの手直しと承認が必ず必要です。
  • 図面の位置付けを「製品図面(正式図面)」とし、3次元データは主要面のみに利用します。
  • 金型は「製品図面(正式図面)」に規定されている寸法で製作することになります。

データ交換時の注意事項

金型製作や成形トライ時のトラブルを防止するために、3次元データを支給する場合は下記の点に注意して下さい。
金型製作を依頼する前に
  • 支給するデータを使って、事前に「NC加工」又は「光造形」等でモデルを作成し形状の確認を行なっておくこと。
  • 上記の確認が出来ない場合は、金型製作先で金型加工(マスター加工)前にその作業を行ってもらうようにします。
  • 3次元データでのやり取りが初めての相手とは、3次元平面上に10mmピッチ程度のポイントを作成したテストデータを用いて変換精度を確認しておくのが良いでしょう。
  • データ変換の前に、不要な要素(極端に大きな座標値の要素など)がないかを確認しておいて下さい。
モデリングする時に
  • 金型加工上の寸法公差は「±0.05」とし、センター値もしくは金型加工時のねらい寸法でモデリングします。
  • 金型構造や成形上の問題点を事前に金型製作先と打合せし、抜き勾配や突き合わせ部分も正確にモデリングしておきます。
  • ボス・リブ等の抜き勾配、根元R、製品形状でRなどを省略する場合は、検査図面又は金型打合せ記録に明記します。
データと添付資料を渡す前に
  • 3次元データは「製品完成モデル」のほかに、放電マスターに相当する「マスターモデル」、シェル形状までの「キャビティモデル」、ボス・リブだけの「コアモデル」を要望に応じて支給します。
  • 支給するデータには使用目的(製品検討用、金型製作用、金型変更用 等)を明記しておきましょう。
  • データの内容をハードコピー(隠線消去、又はシェーディングした状態)で添付しておくと、データ内容を確認する時に便利です。
  • 支給するメディアとハードコピーの両方にデータ形式とファイル名を明記し、複数のファイルがある場合は必要なものを指定します。
  • 金型打合せ記録には、3次元データで省略している部分と金型加工上の対応を明記する。
  • 金型変更は図面又は別紙で指示し、変更部分のデータが必要かどうかは金型メーカーと協議するのが良いでしょう。
検査図面とは
  • 正面図とその投影図、金型構造(アンダカットやスライドコア)の検討ができる主要断面、製品のPL、ブッシングライン、スライドコア合わせ面、穴の突き合わせ面を記入する。
  • ボスの主要寸法(ピッチ、高さ、先端径、抜勾配)、リブの主要寸法(ピッチ、高さ、先端厚、抜き勾配)を記入する。
  • 注記、印刷・彫刻文字の指示、公差指定(特に片側公差の場合)、完成品の検査用寸法を記入する。(必要な寸法以外は記入しないこと)
  • 3次元データの原点(図面の基準点と3次元データの原点との関係を明確にするため)を記入する。
  • 3次元データと図面の間で、製品輪郭・勘合部が形状・寸法とも一致していること。(アウト・オブ・スケールや製図での形状作成は避けます)
  • 図面に表現できない寸法を近似値(ソリッド形状を作成する時に使用した定義ラインの寸法)で表示してはいけません。

モデリングのスケールを変更したい

Last Updated : 05 January, 2002 15:27:16

 金型屋さんで作成したデータを Pro/ENGINEER に取り込んで確認したい場合などには、成形収縮率分だけモデリングのスケールを変更する必要があります。

Pro/E 2000i

 成形収縮率を 4/1000 とすれば、取り込んだ金型屋さんのデータは製品寸法の 1.004 倍となっていますから、製品寸法に戻すためにはモデリングのスケールを 1/1.004 に縮小しなければなりません。


Pro/ENGINEER 2000i/2001

 Pro/ENGINEER 2000i から、メニューの項目が「モデルサイズ」という名称になりました。また、メニューの場所も変わっていますので注意しましょう。製品設計では使う機会は少ないですね。

  • 部品メニューから #修正 #モデルサイズ
  • スケール 1/1.004 を入力して #実行

Pro/ENGINEER Rel.20

 Pro/ENGINEER Rel.20 から、「モデルスケール」というメニュー項目が追加されました。使う機会は少ないけれども、便利になりましたね。

  • 部品メニューから #設定 #単位系 #モデルスケール
  • スケール 1/1.004 を入力して #実行

Pro/ENGINEER Rel.18/19

 「スケール変更」というメニュー項目はありませんが、単位系を変更する時にスケールの設定ができることを利用すれば可能です。

 まず、単位系を mm から cm (現在設定されている単位系以外のもの)に、スケールを 1 から 1/1.004 に変更します。

  • 部品メニューから #設定 #単位系 #長さ
  • #cm を選択して #実行
  • スケールメニューから #ユーザー定義 スケール 1/1.004 を入力して #実行

 次に、単位系だけを cm から、mm に戻します。ちょっと手間ですが、使う機会が少ないので許せるかな。

  • 部品メニューから #設定 #単位系 #長さ
  • #mm を選択して #実行
  • スケールメニューから #同一寸法 #実行

再生情報のメニューが見つかりません(Pro/E 2001)

Last Updated : 05 January, 2002 15:27:16

 Pro/E 2001 を使い始めて、今まで情報メニューの中にあった再生情報(#情報 #再生情報) のメニューが見当たらないのに気づきました。

 バージョンアップの度にメニューの位置と名前が変わるのはよくあることなので、探してみると #ユーティリティ #モデルプレーヤー というメニューに変身していました。

Pro/ENGINEER 2001

 モデルプレーヤー(再生情報)はモデルツリーの順序にフィーチャを個々に再生していくメニューです。途中で寸法を表示したり再定義したりできます。

 他人の作ったモデルを見るときに便利なのですが、モデルを作った実際の順序と出来上がったモデルツリーの順序は同じでないことに注意する必要があります。概して「モデラー」と呼ばれる人たちが作ったモデルはモデルツリーの順序と同じ場合が多く、「設計者」と呼ばれる人たちが作ったモデルはモデルツリーの順序と異なっています。


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