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Pro/ENGINEER Know-how and FAQs

Surface Features

Last Updated : 26 April, 2000 12:39:29

意匠曲面(なめらかなサーフェス)の作り方

意匠曲面のモデリングでは、複雑な形状を作ることはもちろんですが、なめらかなサーフェスを作ることがより重要となります。

デザイン図面(通常は2次元の意匠指示図面)に基づいてモデリングしただけでは、正確に形状を作ろうとすればするほど、細かいサーフェスが増えてしまいます。
その結果、曲面のハイライトが不自然、設計部品でシェルが抜けない、ジオメトリ・チェックがあるため加工データに展開できない、などという問題が発生するのです。
極端な場合、せっかく作った3次元データが使いものにならず、最初から作り直したという話も聞きました。

ほとんどの場合、除変断面スイープを使ってサーフェスを作りますから、まず軌道となるカーブをなめらかにしなければなりません。

デザイン図面(2次元の意匠指示図面)では複数の正接円弧でラインが指示されているため、正接した複数の円弧やカーブを利用して #押し出し や #スイープ を使用してサーフェースなどをモデリングすると、 カーブ同士が正接している部分でサーフェスが分割され、画面上では想像線(2点鎖線)で表示されます。

この境界ではサーフェスの接線が連続になっているので、一応なめらかに正接して見えるのですが、これだけではきれいなサーフェスとはいえません。
シェーディングの精度を上げてみると正接境界の付近でハイライトの変化が不自然になっているのがわかるでしょう。

なめらかなサーフェースを作るためには、このハイライトの変化を連続的にすれば良いのです。
具体的に言えば、正接した複数の円弧やカーブを曲率が連続した一本のスプラインカーブに置き換えることによって、曲率の変化を連続にします。

  • 部品メニューから #フィーチャー #作成 #データム #カーブ #複合 #実行
  • #近似 #実行 でカーブを選択

出来上がった近似複合データムカーブを利用すれば、正接境界がなく、一枚になったきれいなサーフェスを作ることができます。
このように、できるだけサーフェースの正接境界を少なくしておく(サーフェスの数を少なくする)と、シェルの失敗やジオメトリ・チェックの原因をなくすことができます。

また、スケッチ内で近似チェーンを作成する方法もあります。(やっていることは同じですが、一度にスケッチ出来る形状であれば、こちらのほうが楽です。)

ただし、曲率の変化は Pro/ENGINEER のシステム任せになりますから、自分の思う通りに曲率の変化を制御したければ、最初から全てスプラインで作成するしかありません。
下図の例はスプライン・スケッチ・モデリング手法を使って作成したモデル(マウスの基本形状)のサーフェースをポーキュパインで分析したものですが、コーナー部の曲率が連続して変化しているのがよくわかるでしょう。

スプライン・スケッチ・モデリング手法によるマウスの基本形状

このあたりがデザイン用のサーフェースモデラだと簡単になってるみたいですが、何のためにそういう機能になってるか理解していないと全く意味がありません。
基本を知っていると Pro/ENGINEER でモデリングできない形状(曲面)はない...と言えるようになるでしょう。

もう、お分かりですよね。
そもそも、意匠デザイナーが頭の中で考えた3次元形状を2次元図面に書きなおしている(なめらかなスプラインを無理矢理Rに置き換えている)のが問題です。
自分の意匠に責任を持つデザイナーなら、スプラインのままデータに記録しようと考えるのが普通でしょう。


なめらかさレベル

New : 18 Dec 1999

サーフェスの「出来」を表現するのに「なめらかさレベル」というものを作ってみました。
皆さんの感覚と合っていますか?

なめらかさレベル 0

  • 正接円弧のみで構成されるカーブとその曲率表示で、「何もしていない状態」です。
  • カーブが正接する部分で曲率が不連続になっているのがわかります。

  • このカーブを軌道にして、除変断面スイープでサーフェスを作成しソリッドをカットします。
  • 曲率が不連続になっている部分でハイライトに不自然な影ができていますね。

なめらかさレベル 1

  • 正接円弧で構成されたカーブを基に複合近似カーブを作成。

  • このカーブを使うと円弧が正接している部分の不自然さ(ハイライトの影)を少し改善できます。

なめらかさレベル 2

  • 正接円弧で構成されたカーブを目安にして、マニュアルでスプラインカーブを作成。
  • デザイン指示が正接円弧で指定される場合でも、独自にスプラインカーブをスケッチします。

  • 曲率の変化が連続していますので、ハイライトが自然です。
  • 「Pro/Eは曲面のモデリングに弱い」などと言ってる人は、ここまで考慮したモデリングができているのかな?


スプラインの曲率をリアルタイムに表示する

Last Updated : 18 Dec 1999

Pro/ENGINEER Rel.20 からスケッチャーの中でリアルタイムにスプラインの曲率を表示できる様になりました。
ちょっと触らないでいるとメニューの場所を忘れてしまうのですが、実はこんなところにあるんですよ。

  • #スケッチャー メニューから #修正 を選択して、既にスケッチしたスプラインをピックします。
  • #スプライン修正 メニュー内の #曲率表示 メニューから #スケール、#密度 を設定します。
  • #曲率表示 にチェックマークを入れます。
  • #点移動 や #制御ポリゴン などでスプライン動かします。

きれいなスプラインは曲率もなめらかに変化していなければなりません。
リアルタイムで表示できると便利でしょ!!


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