Update - 04 May, 2020(Create 15 May, 2000  HomeHome

石鹸箱のモデリング

Skill Check

 この問題が出来たからと言って「自慢するほどのことではありません」が、1時間以上かけても出来ないようであれば「私は3DCADを使えます」とは言えないと思います。詳細な回答例は記載していませんが、必要な方は 龍菜 gah01300@sannet.ne.jp まで連絡くだされば対応させていただきます。

 お風呂場などで使う石鹸箱を想像して下さい。大きさは100mm×80mm×25mm程度にしましょう。モデリングのポイントは、フィーチャ作成の順番と3本のリブ(パターンを使用します)をどのような方法で作るか?ですね。3本のリブはケースのどこにあっても成立するようにして下さい。(逆に言うと、ケースの形状変更にも対応できること)

 さて、どうでしたか?あなたが設計者であれば、「誤った方法」でモデリングしていてはだめですよ。

作成手順

 主な手順のみを記載していますので、付随する作業は自由に工夫してモデリングしてみて下さい。

01.直方体の作成
データム平面、中心線の位置を考えて直方体(100mm×80mm×25mm程度)を作成。
02.シェル
出来あがった直方体の上面をシェルで削除して薄肉(1mm)形状を作成。
03.角R
挿入モードで、4隅の角にR30、底面の角全周にR5を作成後、挿入モードをキャンセル。
04.外形変更
直方体の側面を平面から曲面(長手面R200、短手面R160程度)に変更。スケッチの置き換え、又は再定義で対応。
05.脚の突起作成
回転パターンを使用して、脚の突起(φ10×5mm程度)4ヶ所を作成。
06.脚の順序変更
作成した脚の突起をシェルの前に順序変更。
07.脚の角R
参照パターンで、足の先端と根元全周に角R(R2程度)を付ける。
08.脚の水抜孔
参照パターンで、脚の中央に水抜き孔(φ4程度)を開ける。
09.底面の水抜き孔
パターンを使用して、ケースの底に長孔(幅1mm×長15mm×3ヶ所)を作成。
10.水抜孔の角R
参照パターンを使用して、長孔の両端にフルラウンドを付ける。
11.水抜孔の凹形状
挿入モードで、底面の水抜き孔部を含む凹形状を作成。
12.リブの作成
パターンを使用して、リブ(厚1mm×高2mm程度×3本)を作成。

注意点

(1)設計基準を考えましたか?
 デフォルトデータムの名前を[SIDE][TOP][FRONT]などという、設計的に意味のない名称にしていませんか?設計者であれば[CTR(CenTeR)][HOR(HORizontal)][VERT(VERTical)]とするのが良いでしょう。設計に際して重要なのは部品の中心面(CTR)ですね。次に部品の常識的な天地面(HOR)とそれに垂直な面(VERTEX)を決めるはずです。このようにしておくと、まともな設計者であれば、似たような部品は同じ基準でモデリングできます。また、基準というものを考える訓練にもなりますね。
(2)モデリングの順番について
 基準の意味をしっかり捉えれば、まず直方体を[HOR]にスケッチして、[HOR]の裏(下)側に押し出して作るべきです。 この場合、パーティングラインを基準にするのが良いでしょう。直方体を作ったあと、角Rや足の突起を作ってから、シェルを作成した人は設計者失格です。何が重要なのかを考え直してみて下さい。
(3)設計変更に耐えられるか
 例えば、真ん中の丸い凹み(裏から見れば突起)を削除してみて下さい。結構なエラーが発生しませんか?もちろん、再定義すれば良いことなんですが、設計で重要な形状からモデリングしていれば、こんなことにはなりません。真ん中の凹みに限らず、そこに開いている長孔、角R、リブについても同じです。リブは3本ともパターンで作成して下さいね。しかも、石鹸箱の形状変更に耐えられるように。
  • リブの位置はケースのどこにあっても成立すること。
  • リブはケースの形状変更(例えばコーナー部のカットなど)に追従すること。
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